競争と共存の結びつき

少年時代「人に負けるな」と「人に合わせよ」を同時に教え込まれましたが、どうしてもそれが反対のことに思えてなりませんでした。当時は一億一心・一丸となるべき総力戦時代でしたので、尚更日本人同士で負けるなと争っていては、内輪揉めになって仕舞うと心配したものでした。
敗戦でそれが一変し人に負けるなより、平和を愛する社会が来るものと期待しましたが、事実は逆で競争の度合いは強まるばかりです。それでも、社会秩序がこうして比較的安定しているのはなぜか、不思議と言えば不思議な現象です。思うに、それは人に負けないで選ばれる程の人間であれば、人の上に立って当然とする習性が、我々の内にあるためではないか。そう考えると、人に負けるなと人に合わせるは反対でなく、強い者に合わせて秩序を保つべきという点で、結び着いている事になります。だから相手が強いと判れば、一転して鬼畜だった米英にも合わせられるのでしょう。
しかも、戦後アメリカ式に「個を解放」したつもりがエゴの解放となり、人をまとめる地位への競争が姿を消し、凄まじいエゴ社会に変じました。国造りの為に個の立身出世競争を結びつけた明治元勲のしたたかさを逆に「個の為の全体作り」に、規模を問わず再活用出来ないものでしょうか。                            

2003-12-1

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